太陽熱、太陽光などの自然エネルギーの利用は、地球温暖化の防止に貢献することから、
日本でも普及に向けた取り組みが年々進められている。地球市民として、今自分たちに何ができるのか。そのヒントの一つとして、東京都が始める取り組みを紹介しよう。

[太陽熱の利用を東京都がバックアップ]

再び脚光を浴びる太陽熱利用
 1980年ごろに販売のピークを迎えた太陽熱利用のソーラーシステムが、最近見直され復活の兆しを見せている。ソーラーシステムは屋根に集熱板を設置し、太陽熱を直接利用してお湯を沸かすもので、お風呂や台所、床暖房などに使うことができる。需要が伸びている背景には、原油高の影響で光熱費が上昇したことや、太陽光発電に比べ設置費用が安価なこと、さらに家庭での環境意識の高まりなどが考えられる。

大型の補助制度で利用を後押し
 そんな中、地球温暖化防止に取り組む東京都が、2009年度から一般家庭で太陽熱を利用した場合、化石燃料と比較した節約分のエネルギー量に応じて買い取る制度を導入する。東京都の計画では、戸建住宅やマンションで太陽熱利用の給湯器や暖房などを使用して節約できたエネルギー量について、都が「グリーン熱証書」を発行し買い取るというもの。買い取る金額については今後検討を進めるという。また、太陽熱利用の機器を設置する場合にも、家庭に対して3〜20万円程度の補助を行う方針を固めており、2010年度までに4万世帯での普及を目指すこととしている。東京都によれば、都内のCO2排出量のうち家庭からの排出量が全体の4分の1を占めており、自然エネルギーの利用による温室効果ガスの削減に、さらに期待したい。

 

[太陽熱発電の設置をサポート]

1キロワットあたり10万円を補助
 東京都では太陽の「熱」だけでなく「光」の利用にも積極的に支援を始める。東京都では、2009年度から、一般家庭での太陽光発電システムの設置に対して、30万円の補助金制度を導入すると発表した。標準的な家庭向け太陽光発電システムは、出力が3キロワット程度で設置費用は約200万円。つまり、1キロワットあたり10万円の補助になる。これにより、現在、年間3000件台の東京都のシステム設置件数を、1万件以上に増やす計画で、地球温暖化防止へつなげたい考えである。

各自治体の補助の上乗せも可能
 ここで注目したいのが、東京都とは別に、太陽光発電の補助に力を入れている自治体が少なくないことだ。都内62市区町村の内、17市区にそれぞれ独自の補助金制度があり、太陽光の利用を促進している。しかも、これらの市区の補助金を、都の補助金に上乗せすることも可能であり、設置を考えている方はぜひ利用したいところだ。地球温暖化防止や環境保護への関心が高まり、積極的にアクションを起こす家庭が増えている今、このような補助制度のさらなる拡充が自然エネルギー利用を後押しするのは間違いなさそうである。
 また、現在、太陽電池の低価格化・高性能化を目指した技術開発競争も加速している。この分野では、日本の技術は世界レベルにあり、技術面での温暖化防止促進にも期待したい。

 

地球の未来を照らす明かりは?

 日本のCO2排出量のうち、約2割を家庭が占め、その約4割が電気の使用によるものです。年々、家電製品の省エネ化は進められていますが、大きな動きをみせているのが照明です。これまで広く使われてきた白熱電球に代わり電球型蛍光灯の普及が拡大しています。製品により差はありますが、同じ明るさで電力消費量は約5分の1で10倍長持ちしますから、地球にも家計にもやさしい明かりといえ、白熱電球の生産中止を決めたメーカーもあります。さらに、新時代の照明として注目されているのがLED(発光ダイオード)です。長寿命、低消費電力、低発熱などの優れた特長を持ち、CO2排出削減への貢献が大きく期待されています。課題は明るさと価格面の両立で、現在技術開発が急速に進められていますが、価格低減のために消費者の積極的な導入への協力が重要といえそうです。